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8.202026
猫の最期は温めない方がいい?看取りでしてあげられること【鎌倉・藤沢】
愛猫の体が冷たくなってきたとき、「毛布をかけてあげたほうがいいのだろうか」「それとも温めないほうがいいと聞いたけれど、本当だろうか」と迷われる飼い主さんは多くいらっしゃいます。検索しても意見が分かれていて、余計に不安になってしまうこともあるかと思います。
結論から申し上げると、一律に「温めない」が正しいわけではありません。猫ちゃんの様子によって、そっと保温してあげたほうがよい場合と、控えたほうがよい場合があります。判断の基準を知っておけば、迷わずに手を動かせます。
この記事では、鎌倉・藤沢でペット火葬と葬儀を承っている鎌倉動物霊園が、「温める・温めない」の考え方から、口呼吸が始まったときの対応、看取りのときにしてあげられること、そして息を引き取った後の流れまでをご説明します。いま猫ちゃんのそばにいる方に、落ち着いて読んでいただければと思います。

猫の最期は温めない方がいいのか
「猫の最期は温めないほうがいい」という話は、人の看取りの現場で言われてきたことが広まったものだと考えられます。人の終末期医療では、手足が冷たくなってきた段階で強く温めることを勧めない場合があります。血液の巡りが落ちているところに外から熱を加えても、その熱がうまく体に行き渡らないためです。
猫ちゃんの場合も、考え方は似ています。ただし「絶対に温めてはいけない」ということではありません。判断していただきたいのは、次の一点です。
猫ちゃん自身が、それを心地よさそうにしているかどうか
毛布をかけたときに体の力が抜けて落ち着くようであれば、そのままにしてあげてください。逆に、身をよじって出ようとしたり、荒い呼吸になったりするようであれば、外してあげたほうが楽です。猫ちゃんは言葉で伝えられませんが、体の反応で教えてくれます。
温めてあげたほうがよい場合
寒がって体を丸めている、小刻みに震えている、暖かい場所へ移動しようとする。こうした様子が見られる場合は、保温してあげてください。この段階の猫ちゃんは、まだ自分で「寒い」と感じ、それを不快に思っています。
保温するときは、次の点にご注意ください。
湯たんぽやカイロは直接当てない
必ずタオルで包んでから、体に添えるように置きます。動けなくなった猫ちゃんは、熱いと感じても自分で離れることができません。同じ場所に熱が当たり続けると、低温やけどを起こすことがあります。
体全体ではなく、お腹まわりを中心に
体をすっぽり覆ってしまうと、熱がこもって苦しくなることがあります。お腹や胸のあたりに毛布を添え、頭のまわりは開けておくと、呼吸が楽になります。
室温そのものを上げる
局所を温めるより、部屋の温度を少し上げるほうが猫ちゃんの負担になりません。エアコンで室温を保ち、風が直接当たらない場所に寝床を移してあげてください。
温めるのを控えたほうがよい場合
一方で、呼びかけへの反応がほとんどなくなり、意識が遠のいている段階では、無理に温める必要はありません。この時期の手足の冷たさは、寒いから冷えているのではなく、体が終わりに向かって血の巡りを中心に集めている結果です。
この段階で強く温めようとすると、かえって呼吸が荒くなったり、体位を動かすことで負担をかけたりすることがあります。触れて確かめたくなるお気持ちはよく分かりますが、体をさすったり抱き上げたりするのは控えめにして、そっと手を添えるくらいがちょうどよいと考えていただければと思います。
迷われたときは、かかりつけの動物病院にお電話でご相談ください。その猫ちゃんの病状を知っている獣医師の判断が、いちばん確かです。
口を開けて呼吸し始めたときは
猫ちゃんが口を開けて呼吸している、いわゆる口呼吸は、犬とは意味が違います。犬は暑いときや運動後に口で呼吸しますが、健康な猫ちゃんは基本的に鼻でしか呼吸しません。
そのため、猫ちゃんの口呼吸は、それだけで呼吸が苦しい状態を示しています。心臓や肺の病気、胸に水が溜まっているといった原因が隠れていることもあり、処置で楽にしてあげられる場合があります。まだ動物病院に相談していない段階であれば、まずご連絡ください。
すでに終末期であることが分かっていて、ご自宅で看取ると決めている場合は、次のようにしてあげてください。
楽な姿勢を保てるようにする
横向きに寝かせるより、胸を下にして伏せた姿勢のほうが呼吸が楽なことがあります。丸めたタオルを胸の下に入れて支えると、その姿勢を保ちやすくなります。猫ちゃんが自分で選んだ姿勢があれば、それを崩さないでください。
静かで涼しい場所に
呼吸が苦しいときは、暑さがさらに負担になります。室温を少し下げ、人の出入りが少ない静かな場所に寝床を移してあげてください。抱き上げて移動させると呼吸が乱れますので、寝床ごとそっと動かします。

看取りのときにしてあげられること
最期が近づくと、飼い主さんは「何かしてあげたい」という気持ちと、「何をしても届いていないのではないか」という無力感の間で揺れます。特別なことをする必要はありません。次のようなことで十分です。
声をかける
聴覚は最後まで残るといわれています。反応がなくても、名前を呼び、いつもと同じ調子で話しかけてあげてください。泣いてしまっても構いません。取り繕った声より、いつもの声のほうが伝わります。
口のまわりを湿らせる
水を飲めなくなると、口の中が乾いていきます。ガーゼや綿棒を水で湿らせ、唇や歯ぐきにそっと当ててあげてください。無理に飲ませようとすると気管に入ってしまうことがありますので、湿らせる程度にとどめます。
寝床を清潔に保つ
失禁が増えてきます。あらかじめペットシーツを敷き、その上に薄いタオルを重ねておくと、体を大きく動かさずに交換できます。汚れたままにすると皮膚がかぶれますので、気づいたときにそっと拭いてあげてください。
そばにいる
猫ちゃんは、最期に姿を隠すことがあるといわれます。押し入れや家具の隙間に入り込もうとしたら、無理に引き出さず、そこで静かに見守ってあげてください。この行動については「猫が死に際に消える? 猫が姿を消す理由とは」で詳しくご説明しています。
なお、仕事や家庭の都合で、どうしてもそばにいられないこともあります。看取れなかったからといって、ご自身を責めないでください。一緒に過ごしてきた年月そのものが、猫ちゃんにとっての幸せです。
息を引き取ったあとにすること
猫ちゃんが息を引き取った後、すぐに何かを決めなければならないわけではありません。ただ、安置だけは早めに整えてあげてください。死後硬直は、おおむね1〜3時間で始まります。
1. 姿勢を整えて、体を拭く
硬直が始まる前に、前足と後ろ足を体に沿わせるように軽く曲げ、横向きに寝かせます。目や口が閉じきらないことがありますが、これは筋肉が緩んで起こる自然な変化です。無理に閉じる必要はありません。体は湿らせたタオルでそっと拭いてあげてください。
2. 体を冷やして安置する
タオルや吸水シートを敷いた箱に寝かせ、保冷剤やドライアイスをお腹と背中に当てます。当霊園ではドライアイスを800円/kgでご用意し、ご自宅までお届けしています。5kg以下の猫ちゃんであれば5kgが目安です。夏場は約一日半、冬場は約三日ほど保ちます。詳しくは「ペットが亡くなったら|火葬までの安置方法と夏場の注意点」をご覧ください。
3. 火葬の方法を決める
猫ちゃんには役所への届け出は必要ありません(登録が義務づけられているのは犬のみです)。火葬は、ほかの子と一緒に火葬して合同供養塔に合祀する合同葬、一頭だけで火葬してご遺骨をお返しする個別葬、ご家族が立ち会ってお骨上げまで行う立会葬から選べます。
鎌倉動物霊園では、火葬料金を体重では区分けしておりません。重さでお受けすることは「火葬」ではなく「焼却」だと考えているためで、火葬にかかる時間とお骨壷のサイズを基準に設定しています。猫ちゃんは「小」の区分です。詳しくは料金表と「猫の火葬はどうする?方法・費用・供養の選び方ガイド」をご確認ください。
まとめ|正解を探すより、猫ちゃんの様子を見てください
猫の最期に温めるべきかどうかは、一律の正解がありません。寒がって震えているようなら、タオルで包んだ湯たんぽをお腹に添え、室温を少し上げてあげてください。反対に、意識が遠のいて反応がなくなっている段階では、無理に温めず、そっと手を添えるくらいがちょうどよい距離感です。
口を開けて呼吸し始めたら、それは苦しさのサインです。まだ受診していなければ動物病院にご相談ください。ご自宅で看取ると決めている場合は、胸を下にした姿勢を保てるようにし、静かで涼しい場所で見守ってあげてください。
息を引き取った後は、1〜3時間で死後硬直が始まりますので、その前に姿勢を整えて体を冷やします。適切に安置すれば、夏場でも一日半ほどは時間を取れますので、慌てて火葬を決める必要はありません。
看取りの後に深い喪失感に襲われる方も少なくありません。そうしたお気持ちについては「ペットロスをどう克服するか」でも触れています。鎌倉動物霊園では、まだそのときが来ていない段階でのご相談も承っています。どうすればいいか分からないというお気持ちのまま、お電話いただいて構いません。

