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4.302025
チンチラが死ぬ直前の行動を紹介。突然死を防ぐために大切なこと【鎌倉・藤沢】
チンチラは、鮮やかな色彩とふわふわとしたコートが特徴の、アンデス山脈の高地を原生地とするげっ歯類です。寒冷な気候に適応するために身につけたその豪華な毛皮は、見た目の魅力を引き立て、SNS上での人気を急速に高めています。その結果、ペットとしての需要が高まり、多くのペットショップで取り扱われるようになりました。
チンチラは、適切な世話と管理が行われていれば、10年以上の長寿を享受することが多いです。しかしながら、時折、突如として健康状態が劇的に悪化し、結果的に命を落とす悲しい事例も存在します。
今回は、そんな事態を予防するための知識として、チンチラが生命の危機に瀕している可能性があるときに示す典型的な行動パターンを紹介します。さらに、彼らの突然死を防ぐための具体的な対策についても解説していきます。この情報が、チンチラとの共生をより安全で、そして幸せなものにするための一助となれば幸いです。

チンチラが死ぬ直前に示す特徴的な行動とは?

チンチラは賢く愛らしいペットであり、適切なケアを与えれば10~15年、時には20年近くという長い寿命を持つことが知られています。これは、彼らの同じげっ歯類の仲間であるハムスターやモルモットと比べても長寿であると言えます。そのため、チンチラとは長期間、共に生活するパートナーと考えることができます。
しかしながら、チンチラはストレスや気温の変動に敏感で、その結果、ペットショップから新たに迎え入れたばかりの段階で亡くなってしまうケースも存在します。
さらに、チンチラは自身の体調不良を飼い主に対して明示的に示すことができません。それゆえ、以下に述べるような彼らが死に至る前に示す可能性のある異常な行動に気づいた場合、それはすぐに動物病院に連絡し、適切な医療ケアを受けるべきサインと考えるべきです。
餌を食べない
愛らしいペットであるチンチラが、いつも食べていた餌に目もくれず、食事を拒否することがあります。それは、チンチラがその餌に飽きてしまった可能性が考えられます。
しかし、その他にも、ストレスを感じていたり、特定の食べ物に対する好みや嫌いがあることなど、さまざまな要素が影響している可能性もあります。ですから、すぐに心配しすぎて獣医さんに連れて行く必要は必ずしもありません。
ただし、体重が減少しているといった具体的な体調不良の兆候が見られる場合には、獣医の専門的な診察を受けることを推奨します。チンチラの健康を守るためにも、そのようなサインを見逃さないようにしましょう。
便秘と下痢問題
私たちの身体は、生活環境や摂取する食物によって、排泄物の状態に変化を引き起こします。
便秘について語ると、これが深刻な状態に至ると腸閉塞、つまり腸が詰まってしまう恐れがあります。これは非常に危険な状態なので、便秘が続く場合はすぐに医療機関に相談し、適切な診察を受けることを強く推奨します。
一方、下痢については、食物や何らかの疾患が直接的な原因となっていることがほとんどです。また、熱中症の症状として下痢が見られることもあります。
したがって、特に温度や湿度に問題がなければ、食事を見直し、特に牧草を中心とした食事に切り替えてみることをお勧めします。そして、その後の数日間で排泄物の状態にどのような変化があるかを観察してみてください。
もし、それによっても軟便が続くようであれば、医療機関に相談することをお勧めします。そして、生活環境として、ケージは汚れたままにせず、速やかに掃除を行い、常に清潔な状態を保つように心掛けましょう。
口元をよく掻く習慣
あなたのペットが口元から涎が滴る様子を示したり、口を頻繁に掻く仕草を見せた場合、それは不正咬合の可能性を示唆しているかもしれません。
チンチラをはじめとするげっ歯類は、その歯が一生涯伸び続ける特性を持っています。しかし、何らかの理由で歯を適切に研ぐことができなくなると、前歯が過度に成長し、結果として食物を摂取するのが困難になります。
食事を満足に摂ることができなくなると、その生物は栄養失調に陥り、体力が徐々に衰えていきます。最終的には、この状態が続くと生命を維持することが難しくなり、衰弱死する可能性が高まります。
そのため、もしペットの歯が過度に伸びていると感じたら、専門的な医療機関でその歯を切ってもらうことをお勧めします。これにより、ペットの生活の質を向上させ、長寿につながる可能性が高まります。
ぐったりと疲れている、横になって休んでいる
チンチラはその特性上、厚く密度の高い毛皮を持っているため、高温や湿度に非常に弱い生き物です。特に、室温が25度以上または湿度が60%以上の条件下に置かれると、熱中症になる危険性が急上昇します。
これは、人間がそれほど暑さを感じなくても、チンチラは熱中症に陥ってしまうことがあるということを意味します。そして、この事実を飼い主が見逃してしまうと、時折、手遅れになってしまう悲しい事例も見受けられます。
熱中症や脱水症状が進行すると、チンチラは床にしぼんでしまい、ぐったりと動かなくなることがあります。さらに、手当が遅れると、目や口の粘膜が赤くなり、最終的には昏睡状態に落ち込み、生命を失ってしまう可能性もあります。
もし、熱中症の兆候を発見した際には、まず最初に行うべきことは、部屋の温度を下げるか、チンチラを別の部屋に移動させることです。次に、ぬるま湯を用意し、チンチラをそこに浸けるか、湿ったタオルで体を包み込むなどして、ゆっくりと体温を下げてあげてください。
ただし、冷水や氷水の使用は避けてください。これは、チンチラがショック死を起こす可能性があるためです。最後に、水を少量ずつ飲ませ、湿らせたタオルで体を包んだまま、すぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。このような対応が、愛するチンチラを守るための重要な手順となります。
チンチラが急に死んでしまう主な理由は?

チンチラの体調変化に気付き、適切に対応することで病気からくる死亡を防ぐことが可能となります。とはいえ、見かけ上何も問題なさそうなチンチラが突如として命を絶つ事例もありますので、いつ何時も生命を守るための対策が可能とは限らないことを理解しておく必要があります。
衰弱・ストレス
ちょうど生まれたばかりのチンチラは、ブリーダーの元からペットショップへと連れてこられた後に急に命を落とすことがあります。新たな命を授かったばかりのチンチラは、親から離されるという事態にストレスを感じたり、母乳から得られる栄養が摂取できなくなって衰弱死することがあります。
他の飼い主からチンチラを譲り受ける際も、離乳が完了するまでは幼いチンチラを引き取らないことが重要です。また、チンチラと他の動物を同じ空間で飼ったり、チンチラを追い詰めたり、驚かせる行為などは強いストレスをチンチラに与え、痙攣を引き起こしてしまい、最悪の場合はショック死に至ることもあるので注意が必要です。
食べ物
例えば、ひまわりの種やナッツ類などのおやつを食べている際に、その食べ物が喉に詰まり窒息してしまったケースも存在します。チンチラが詰まりやすいサイズの食べ物を与える際は、一度に大量に与えず、様子を見て少しずつ手渡しで与えるようにしましょう。
また、食べ物に関しては、「チンチラには与えてはいけない食べ物を与えてしまった」という事故もあります。これはどのペットにも言えることですが、飼い主がしっかりと注意を払っていれば防ぐことが可能です。
特に、以下に挙げる食べ物はチンチラにとって中毒症状を起こしやすいものなので、チンチラが触れないように保管するなどしてください。
チンチラに与えてはいけないもの
野菜:ネギ類、生の大豆、ジャガイモの皮、アボカド など
植物:アサガオ、アジサイ、ポインセチア など
感染症
また、急死の原因として気を付けるべきものとして、治療が遅れがちな感染症が挙げられます。感染症の症状が見られた時には病気が末期に達していることが多く、結果として命を落とすケースが多いです。
ストレスの少ない飼育環境を整え、早期に発見するために日常的にチンチラの行動や排泄物を観察しましょう。ただし、観察が過剰になるとそれ自体がストレスになりますので、適度な間隔を空けて行いましょう。
チンチラの寿命を延ばす手段は?

チンチラの生命の長さを伸ばすためには、彼らの原生地に似た環境を構築することが重要です。
適切な室内温度を維持するために、エアコンは常にオンにしておき、食事は主に牧草を中心にしましょう。
さらに、ストレスを軽減できるように、適度な運動と砂浴びを可能にする環境を提供してください。
主食として牧草をバランス良く与える
チンチラは、チモシーなどの牧草を主食とする動物です。
牧草には食物繊維が豊富に含まれており、便秘を予防する効果があります。
さらに、牧草はよく噛む必要があるため、歯が適切な長さに削られ、不正咬合を予防できます。
ビタミンなどの牧草だけでは得られない栄養素は、ペレットを与えて摂取させることができます。
食事の選び方の注意点
主食が牧草などの乾燥した草であるため、チンチラは含水量の多い食物の消化が苦手です。野菜や果物を与える際は、含水量の少ないものを選び、与える頻度も控えめにしましょう。ドライフルーツなどの甘い食べ物も好みますが、糖質や脂質が含まれているため、大量に与えることは避けてください。
おやつは、動物病院から帰ってきた後など、報奨として少量ずつ与えることを推奨します。
運動をさせるための環境を整備する
チンチラは運動を好む動物です。毎日少なくとも30分はケージから出して運動をさせてあげましょう。ケージ内に運動用のホイールがある場合でも、広い場所で走り回る時間は不可欠です。チンチラをケージから出して遊ばせる際は、ケガを防ぐために電気コードや小さな金具などは部屋から取り除いておきましょう。
毎日砂浴びをさせる
毛の密度が高いチンチラの毛皮は、濡れると自然に乾かず、カビが生えてしまうことがあります。そのため、チンチラは砂浴びをして毛についた汚れや油分を取り除きます。
砂浴びはチンチラのストレス解消にもつながるので、毎日砂が入った容器を用意してあげましょう。
室温の管理を徹底する
チンチラは、本来、非常に寒い地域に生息する動物です。寒さには順応していますが、暑さには非常に弱く、夏場に命を落とすチンチラが多く見られます。
チンチラに適した室温は20〜25℃で、26℃以上になると体調を崩しやすくなります。
エアコンを使用しないで26℃以下の環境を維持することは難しいため、春から夏にかけてはエアコンを常に稼働させ、室温を調整する必要があります。
チンチラが容易に罹患する病気を予め知っておく

チンチラが容易に罹る病気を事前に知っておけば、異変にすばやく気付くことができます。
熱中症
暑さに弱いチンチラにとって、熱中症は命の危機となる深刻な疾患です。
夏場に元気がない場合は、熱中症の可能性が考えられます。
耳が赤くなっていたり、体温が上がっていたりする場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
予防のためには、風通しの良い場所にケージを置き、直射日光やエアコンの風が直接当たらないようにしましょう。
歯の異常
チンチラの歯は一生伸び続けますが、伸び過ぎると食事が上手く摂取できません。
食欲がなくなったり、体重が減ったり、よだれが出る、歯ぎしりをするなどの症状がある場合は、「歯の異常」の可能性があります。
早めに病院へ行き、伸び過ぎた歯を削る処置を受けることが必要です。
予防策として、牧草や木をかじることで歯を削ることが大切です。
皮膚疾患
皮膚が赤くなったり、フケが出たり、抜け毛がある場合は、「皮膚疾患」の可能性があります。
これらの症状がある場合は、すぐに病院で診察を受けましょう。
人間にも感染する皮膚疾患もありますので、注意が必要です。
免疫力を上げるために、快適な環境を整え、適度な運動と砂浴びをさせてストレスを解消させることが予防につながります。
便秘、下痢
便の量が少ない、または水分が多い場合は、「便秘」または「下痢」の可能性があります。
便秘の場合、食物繊維が豊富な食事を与えると改善することがありますが、下痢の場合は感染症の可能性もあるため、注意が必要です。
どちらの症状も続く場合は、病院で診察を受けましょう。
予防のためには、ケージを清潔に保ち、古い食事を与えないようにしましょう。
また、チンチラの体質に適したペレットを見つけることが、健康管理の一部となります。
骨折
チンチラの骨は細いため、骨折しやすい動物です。
いつもと違う動きをしたり、活動的な時間帯に静かだったり、歩き方がおかしい、触ると痛がるなどの症状があれば、骨折の可能性があります。
骨折を防ぐためには、ケージの配置を工夫し、高い場所からの落下を防ぐことが重要です。
また、部屋で遊ばせているときは、目を離さないでください。
チンチラが亡くなった場合は?
私たちが愛情を込めて大切に育てているチンチラですが、いつかはその命が尽き、別れを告げる日が訪れます。その時、無念の思いを残さないために、どのように供養を行えば良いのかについてご紹介します。
埋葬
チンチラの遺体を自宅の庭や、植木鉢に埋葬するという方法があります。ただし、他のペットの犬や猫によって掘り起こされないように、十分に深い穴を掘ることが必要です。また、チンチラを埋めた場所には、花や木を植えて、供養の場所とすることをおすすめします。
しかし、注意点として、埋葬を行うと遺体が地中の微生物によって分解され、悪臭が発生する可能性があります。また、公園や借地権付き建物など、私有地でない土地に埋葬すると、法律に触れて処罰を受ける可能性やトラブルを招くこともあるため、注意が必要です。
これらのリスクを避けるために、火葬を選ぶのが最も安全な供養方法と言えるでしょう。
火葬
信頼できるペット火葬業者であれば、チンチラのような小動物でも骨を適切に残してくれます。ただし、遺骨を残したい場合、複数のペットを一緒に火葬する「合同火葬」には注意が必要です。チンチラの骨は細く、小さいため、他のペットの遺骨と混ざり、チンチラの遺骨を特定することが難しくなる恐れがあります。そのため、合同火葬で遺骨を返してもらうことは、対応していない業者が多いのです。
一方、個別に火葬を行う「個別火葬」では、他のペットの骨と混ざることはありません。そのため、個別火葬を行っている業者は多く、火葬後も自宅や霊園で供養を続けることが可能です。

まとめ
チンチラは長寿な生き物として知られています。それでも、どんなに注意深く飼育していても、思いがけず命を絶つ事態に直面することもあります。
従って、もしチンチラが突如として命を落としたとしても、自分自身を非難することは全く必要ありません。
チンチラとの別れの日が訪れるとしても、何の後悔もないように、全力で愛情を注ぎ、丁寧に育ててあげることが大切です。
