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12.272023
犬が死ぬ前に見せる行動とは?老衰のサインと看取りの準備【鎌倉・藤沢】
いつも通り過ごしていたはずの愛犬が、ご飯を食べなくなった。ふらついている。呼んでも反応が鈍い。そんな変化に気づいたとき、「これは老衰のサインなのだろうか」「もう長くないのだろうか」と、不安な気持ちで検索されている飼い主さんが多くいらっしゃいます。
犬は亡くなる前、体にいくつかの変化があらわれます。それを知っているかどうかで、残された時間の過ごし方は大きく変わります。あらかじめ知っておけば、慌てずに、そばにいてあげる時間をつくることができます。
この記事では、鎌倉・藤沢でペット火葬と葬儀を承っている鎌倉動物霊園が、犬が死ぬ前に見せる行動を一つずつご説明します。あわせて、死後硬直が始まる時間や、看取った後にご家族がすることまでをまとめました。いま愛犬のそばで不安を抱えている方に、落ち着いて読んでいただければと思います。

犬が死ぬ前の行動は、いつから始まるのか
老衰で亡くなる場合、多くの犬は数週間から数か月かけて、少しずつ体の機能が落ちていきます。散歩を嫌がる、寝ている時間が増える、呼びかけへの反応が鈍くなる。こうした変化は、亡くなる直前ではなく、もっと手前から始まっています。
一方で、この記事でご紹介する食欲の消失や体温の低下、けいれん、呼吸の乱れといった変化は、亡くなる数日前から当日にかけてあらわれることが多いものです。すべてが順番どおりに起こるわけではなく、ほとんど見られないまま静かに旅立つ子もいます。
大切なのは、変化を数え上げて「あと何日か」を計算することではありません。いつもと違う様子に気づいたら、できるだけそばにいる時間をつくることです。慌てずに、愛犬との最期の時間を過ごしましょう。
食事を食べなくなる

体力が落ちてくると、食事を摂ることが難しくなります。まず硬いものを避けるようになり、次に量が減り、最後には水も口にしなくなっていきます。
そのような状況では、ペットフードを工夫してみることが大切です。具体的には、フードに適量の水分を加えて、噛む力が弱っても食べられる柔らかさに調整します。においを強く感じられるよう、人肌程度に温めると口をつけてくれることもあります。
食事の与え方にも気を配る必要があります。頭を少しだけ高くすると飲み込みやすくなります。スプーンやシリンジを使い、一口ごとに確実に飲み込めているかを見守ってください。飲み込むのが困難な場合は、一度に大量に与えるのではなく、少しずつ与えることでストレスを減らせます。
ただし、無理に食べさせることが必ずしも正解とは限りません。飲み込む力が弱った状態で流し込むと、誤嚥性肺炎を起こして苦しませてしまうこともあります。どこまで手を尽くすかは、かかりつけの動物病院と相談しながら決めていただくのが安心です。
体温の低下現象
愛犬の体温は通常、38〜39℃程度とされています。しかし体調が優れないときや老衰によって身体が弱ってしまうと、代謝機能が低下し、体温を適切な範囲で保つことが難しくなります。
その結果、人間の平均体温よりもさらに低い体温になることがあります。そしてその状態が続くと体温はさらに下がり、生命力が失われていくサインとなります。
普段より体温が低いと感じた場合は、首や脇の下、太ももの内側など、主要な血管が集まる部位を触って確認しましょう。ここが冷たくなっていたら、毛布や湯たんぽを使って温めてあげてください。湯たんぽは直接肌に当てず、タオルで包んでから体に添えます。
なお、猫の場合は最期に体を温めない方がよいという説を目にすることがありますが、犬については、本人が寒がっている様子であれば温めて構いません。嫌がって身をよじるようなら、それ以上は無理をしないでください。愛犬が楽な状態でいられることを優先しましょう。
失禁と吐き気、嘔吐(おうと)

体の機能が落ちてくると、排泄をこらえる力も弱くなり、寝たままの失禁が増えていきます。吐き気が続いたり、胃液のような液体を嘔吐したりすることもあります。
そういうときは、すぐにきれいにしてあげましょう。汚れたままにしておくと皮膚がかぶれてしまいます。あらかじめ寝床にペットシーツを敷き、体の下に薄いタオルを重ねておくと、交換の負担が軽くなります。
失禁を叱る必要はまったくありません。愛犬自身も、これまでできていたことができなくなっていることに戸惑っています。淡々と、いつもと同じ声で接してあげてください。
痙攣(けいれん)
時折、わずかな刺激に対しても過度な反応を示す、あるいはけいれんを引き起こすことがあります。足を突っ張らせる、体全体が小刻みに震える、白目をむくといった形であらわれます。
突然の接触や抱き上げによって反射的に噛みつくことがあるので、衝動的に身体を押さえつける行為は避けなければなりません。周囲にはクッションなどを設置し、もし頭を打つ事態が発生しても安心できるように配慮しておくと良いでしょう。
けいれんは数十秒から数分でおさまることがほとんどです。おさまるまでは、名前を呼びながら静かに見守ってあげてください。ただし、5分以上続く場合や、短い間隔で繰り返す場合は、老衰以外の原因が隠れていることもあります。可能であれば動物病院にご連絡ください。
不規則な呼吸パターン

呼吸が一定のリズムを保つことが困難となり、深さや速さが変化することがあります。時には一瞬、息を吸う動作が止まることすらあります。
チェーンストークス呼吸
最期が近づくと、浅く速い呼吸がだんだん深く大きくなり、また浅くなって、しばらく止まる。このサイクルを繰り返す呼吸があらわれることがあります。人の看取りの場でもよく見られるもので、チェーンストークス呼吸と呼ばれます。
息が止まっている間は、飼い主さんにとって非常に長く感じられます。「もう息をしていない」と思って声をかけると、また大きく息を吸い始める、ということが繰り返されます。これは脳の呼吸をつかさどる部分の働きが弱まって起こる変化で、苦しくてもがいているわけではありません。
下顎呼吸
さらに最期が近づくと、あごを上下に大きく動かして息をする下顎呼吸が見られることがあります。これがあらわれてからは、数十分から数時間で旅立つことが多いといわれています。見ているのが辛い姿ですが、この段階では意識はほとんどなく、痛みを感じていないと考えられています。
呼吸の変化は、生命が終わりに近づいていることを示すサインです。体をさすったり、名前を呼んだりしながら、静かにそばにいてあげてください。犬にとって、聞き慣れた飼い主さんの声は最後まで届いているといわれています。
そばでのお見送りを可能に
PLAN-B社が実施した「ペットロス」についての調査では、「愛犬との最後の時間を共に過ごせなかった」と答えた人が全体の40.3%に上るという結果が出ています。
愛犬との別れを迎えられなかった人々は、「一人で逝かせてしまった」「最後の瞬間を見届けていないので、まだ生きていると感じてしまう」など、心に深く刻まれる後悔を感じています。
愛犬が苦しみ、混乱している様子を直に見るのは確かに心が痛むものです。しかし、それを見るのを避けているうちに愛犬が静かにこの世を去ってしまったとしたら、それはさらに大きな後悔となるでしょう。
飼い主として後悔を避けるため、そして何より愛犬が穏やかな心で旅立てるように、愛犬が最後のステージを迎えるときは、できるだけ近くで優しく見守ってあげてください。とはいえ、仕事や家庭の事情でどうしても離れなければならないこともあります。看取れなかったからといって、ご自身を責めないでください。一緒に過ごした年月そのものが、愛犬にとっての幸せです。
犬の死後硬直はいつ始まる?期間と解硬について

愛犬の死後の状態は、その種類や体格により異なります。一般的には、生命が終わってから1〜3時間の間に死後硬直と呼ばれる現象が始まります。これは死後に生じる筋肉の硬直で、体が固定されてしまう状態を指します。
この死後硬直が始まると、その後の手続きで困難が生じることがあります。例えば、棺に愛犬の体を納める際に体勢を整えることが難しくなり、お別れの場面で不自然な姿になってしまうことも考えられます。そのため、硬直が始まる前に、前足と後ろ足を軽く曲げて眠っているときの姿勢に整えてあげてください。
硬直はやがてほどけます
死後硬直は永遠に続くわけではありません。時間が過ぎるにつれ、遺体は再び柔軟な状態に戻ります。これは「解硬」と呼ばれる自然な進行で、一度硬直していた全身の筋肉が徐々に緩んでいきます。
その結果、遺体からは便や体液が漏れ出ることがあります。これらは生前の状態から死後の状態へ移行する過程の一部です。硬直してしまって体勢を直せなかった場合は、この解硬のタイミングでそっと整えてあげることもできます。
犬は死後硬直後に生き返ることはあるのか?
インターネット上では、「亡くなったと思われた愛犬が突然生き返った」というエピソードが数多く寄せられています。
しかし、厳しい現実を受け止める必要があります。残念ながら、死後硬直が生じた後に犬が生き返るという事象は存在しません。硬直は筋肉の細胞が働きを止めたことで起こる変化であり、そこから元に戻ることはありません。
愛犬の死を受け入れることは飼い主にとって非常に困難で、避けられない悲しみとなります。その深い愛情から「もしかしたら奇跡が起こるかもしれない」という希望を持つことは自然な反応かもしれません。それが「犬は死後硬直後に生き返る」という説の源泉となっている可能性があります。
しかし大切なのは、愛犬が最後の時を迎えたら、その姿が傷まないうちに、悔いのないよう愛情を込めて見送ることです。それが愛犬への最高の敬意となり、また一番の供養となるでしょう。
看取ったあとにすること|安置から火葬までの流れ
愛犬を看取った後、すぐに何かを決めなければならないわけではありません。ただ、ご遺体の状態を保つための安置だけは、早めに整えてあげてください。
1. 体を整えて、冷やす
硬直が始まる前に姿勢を整え、体をきれいに拭きます。その後、タオルや吸水シートを敷いた箱に寝かせ、保冷剤やドライアイスをお腹と背中に当てて冷やします。当霊園ではドライアイスを800円/kgでご用意し、ご自宅までお届けしています。5kg以下の子で5kg、15kg程度で10kg、30kg程度で15kgが目安です。夏場は約一日半、冬場は約三日ほど保ちます。
2. 役所へ死亡届を出す(犬のみ)
犬は狂犬病予防法により登録が義務づけられているため、亡くなってから30日以内に自治体へ死亡届を提出する必要があります。鑑札と注射済票を添えて手続きします。詳しくは「愛犬や愛猫が亡くなった際、役所や自治体に届け出・手続きは必要?」をご覧ください。
3. 火葬の方法を決める
火葬には、ほかの子と一緒に火葬して合同供養塔に合祀する合同葬、一頭だけで火葬してご遺骨をお返しする個別葬、ご家族が立ち会ってお骨上げまで行う立会葬があります。鎌倉動物霊園では体重ではなく、火葬にかかる時間とお骨壷のサイズを基準に料金を設定しています。詳しくは料金表と葬儀の流れをご確認ください。
火葬までの間、ご家族だけで一晩を過ごすお通夜のご用意もできます。お別れ花やお棺もございますので、ご希望があればお電話の際にお伝えください。
まとめ|最期のサインは、そばにいるための合図
犬が死ぬ前には、食欲の消失、体温の低下、失禁や嘔吐、けいれん、呼吸の乱れといった変化があらわれます。すべてが起こるわけではなく、順番も決まっていません。数え上げて残り時間を計算するためのものではなく、そばにいる時間をつくるための合図だと考えていただければと思います。
亡くなった後は1〜3時間で死後硬直が始まりますので、その前に姿勢を整え、体を冷やして安置してください。適切に安置すれば、夏場でも一日半ほどは時間を取ることができます。慌てて火葬を決める必要はありません。
看取りの後は、深い喪失感に襲われる方も少なくありません。そうしたお気持ちについては「ペットロスをどう克服するか」でも触れています。鎌倉動物霊園では、まだそのときが来ていない段階でのご相談も承っています。どうすればいいか分からないというお気持ちのまま、お電話いただいて構いません。

