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10.172024
「猫の老化症状について」気づきたい外見や行動の変化【鎌倉・藤沢】
子猫の時期には、目の前で日々進む成長の兆候を見ることができます。
しかし、ふと気付くとその子猫もすっかり大人の猫になっていて、その成長過程の変化がほとんど目に見えなくなってしまいます。
この時期になると、愛猫がじわじわと老化の一歩を踏み出していることに、飼い主である私たちはなかなか気付かないものです。愛猫の健康を考え、なるべく長く一緒に過ごすためには、老化の兆候を見逃さず、早期に対策を講じることが重要となってきます。
本記事では、猫がシニア期に差し掛かるタイミングや、その基本的な知識から始め、次に老化が進行する中で見られる可能性のある外見や行動の変化について詳しく解説していきます。
健康な猫と老化が進行した猫との違いを理解し、愛猫が抱える可能性のある問題を早期にキャッチし、適切な対応を取るための一助となれば幸いです。
猫の年齢を人間の年数へ換算
猫の年齢が進む過程は、その個々の特性や生活環境、遺伝的な要素、そして体質など、多数の要素が絡み合って形成されるものです。それぞれの猫には個々の老化のサインが出現し、これには大きな個体差があります。
猫がシニア期に入ると言われる一般的な目安は7歳からで、この頃から彼らの活動性は徐々に減退し始めます。しかし、12歳くらいまでは、外から見てわかるような老化の兆候はほとんど見受けられないのが普通です。それでも、実際には7歳頃から猫の体内では様々な変化が起こり始めています。代謝機能の低下や心臓や血管といった循環器系、免疫系を含む全身の機能の活動が、ゆっくりとだけど確実に弱くなっていくということが、科学的な視点からは考えられています。
獣医学では、猫の年齢を以下の3つのカテゴリーに分けています。7歳から10歳の猫は「中高年期」、11歳から14歳の猫は「高齢期」、そして15歳以上の猫は「老齢期」と定義されます。これらの年齢区分は、猫の健康状態や生活習慣の変化を理解し、適切なケアを提供するための基準となります。
猫の老化サイン(外見編)
猫の愛らしい外見に変化が現れることが、彼らの老化が始まっていることを示しています。
歯の変化
猫の老化が進むと、歯の色や状態が変わってきます。特に黄色みを帯びてきたり、茶色く変色してきたら、それは老化が進んでいる兆候かもしれません。普段から歯磨きを怠っていると、歯石がつきやすくなり、これも黄ばみや茶色味に見える原因となります。愛猫の歯の健康を守るためにも、定期的に歯磨きをして、老化の初期症状がないか確認しましょう。
毛並みの変化
また、猫の毛並みの状態も老化のサインとなります。毛並みが乾燥してツヤを失い、パサつき始めたら、老化が進行している可能性があるでしょう。特に長毛種の猫では、毛づくろいの回数が減り、毛玉ができやすくなるなど、見た目の変化が顕著に現れます。
爪研ぎの回数が減る
猫の爪研ぎは彼らの健康状態を反映しています。年を重ねると、運動量や好奇心が減り、爪を研ぐ行為も面倒に感じるようになります。その結果、爪研ぎの回数が減少することがあります。
太ももの細さ
老化が進むと、猫は運動量が減り、筋肉が衰えてきます。これが原因で太ももが細くなるケースもあります。太ももの細さが目立つようになったら、獣医師に診てもらうことをおすすめします。
目ヤニの増加
目ヤニは猫の眼球が汚れを取り除くために出るものですが、老化が進むと目ヤニが増えることがあります。これは眼球やその周囲の組織に何らかの異常があることを示している可能性もありますので、獣医師に診てもらうことをおすすめします。
猫の老化のサイン(行動編)
猫の行動や生活習慣にも、老化のサインが現れます。これらの変化が見られたら、愛猫の老化を意識して対応しましょう。
動きの鈍さ、外出の減少
年を重ねると、猫の動きは鈍く遅くなります。特に外出を楽しんでいた猫が、外出の回数を減らすようになったら、そのサインと捉えてください。
食欲の低下
また、運動量の減少に伴い、食事の量も減ります。カロリー消費が減ると、空腹感がなくなるためです。このような場合には、シニアフードに切り替えることを考えてみてください。
睡眠時間の増加
老猫は一日のうちの大半を寝て過ごすこともあります。これは体力の低下や耳が遠くなるなどの老化現象によるものです。寝ている時間が長くなったり、じっとして動かない時間が増えたりしたら、それは老化のサインかもしれません。
聴力の低下
さらに、老化に伴い、猫の聴力は低下します。名前を呼んでも反応しなかったり、普段なら反応する音にも反応しなくなったら、獣医師に相談しましょう。
排泄場所の変化
また、これまでトイレで排泄していたのに、その場所が変わってきたり、トイレ以外の場所で排泄するようになったら、それも老化のサインかもしれません。
知育玩具への反応の減少
加齢により、猫は知育玩具に対する反応も示さなくなることがあります。これらの玩具は、猫の本能的な捕食行動を刺激するものが多いのですが、老化によりその反応が鈍くなることがあります。
まとめ
日々の生活の中で、愛猫の小さな変化に気づくのは難しいことかもしれません。しかし、これらのサインに気づいたら、愛猫が老化を迎えていると認識し、適切なケアを始めましょう。定期的な獣医師の診察も大切です。早期に老化に伴う病気を見つけることができれば、より多くのケアの選択肢が広がります。
特に、歯の状態は老化のサインを見つける重要な指標となります。愛猫の歯磨きを行いつつ、その状態を注意深く観察しましょう。また、動きが鈍くなったら、水の場所を増やすなど、愛猫の老化に寄り添った対応を考えてみてください。
猫の日常生活を快適にする工夫をすることで、愛猫が健康で快適に過ごす日々が、1日でも長く続くことを願っています。